新人看護師の場合、アセスメントに苦労する人が多いです。患者から張り切ってたくさん情報収集をしても、実際にアセスメントに必要な情報の選択・整理ができていないため、不必要な情報によって評価や分析がうまくできておらず、結果としてアセスメント不足になってしまうのです。看護のアセスメントに必要な能力は、客観的で十分な分析や評価をくだして、理由や結果まで、きちんと筋道を立てて考察できることです。新人の場合は、情報に踊らされることが多いため、まずは、集めた情報の取捨選択を行う習慣をつけることで、選択眼が鍛えられます。また、アセスメントの流れを知ると、患者についてどんな情報が必要で、どんな情報が不必要か、自然に理解することができるようになります。そのためにも、看護記録の形式となっているSOAPを理解しておくと効率的な思考ができるようになります。
SOAPは4つの項目があり、1)主観的情報、2)客観的情報、3)評価、4)計画となっています。この形式に沿って、患者から収集した情報を1)主観的情報と2)客観的情報に分けて整理し、3)評価であるアセスメントを行います。評価や計画の判断に迷う時は、自分の考察を記載したのち、先輩看護師に相談してみることが大切です。先輩から補足事項や、俯瞰的な視野でアドバイスをもらうと、新たな視点で考えることができるようになります。そして、良いアセスメントとは、患者とのコミュニケーションを通して得られることが多いです。患者が発するサインを見逃さず、「どうして?」「なぜ?」と問い続ける気持ちを常に失わないようにしてください。